喪主挨拶の禁句一覧、タブーになるNGワード一気に確認できます
喪主挨拶では使うべきでない忌み言葉がいくつかあります。
忌み言葉の読みは「いみことば」、いわゆるNGワードのことですね。
このNGワードも言い換えれば使える場合もあるので、併せて紹介します。
まず、葬儀系の忌み言葉はこの5種類に大別されます。
- ・重ね言葉
- ・続き言葉
- ・不吉な言葉
- ・直接的な表現
- ・宗派によって使わない言葉
それぞれ詳しく見ていきましょう。
重ね言葉 は使わない
益々、ますます
いよいよ
みるみる
まだまだ
だんだん
重ね重ね
返す返すも、かえすがえすも
重々
くれぐれも
度々、たびたび
しばしば
色々、いろいろ
再々
次々
たまたま
つくづく
近々
わざわざ
ぜひぜひ
またまた
皆々様
どんどん
日々
ときどき
- 重ね言葉が禁句である理由
- 葬儀が重なりやすいものだからです。
- あいつが逝ってしまったのなら、俺もそろそろかなと弱気になってしまうといけないんだと思います。
- そういう気持ちを引き起こしかねない重ね言葉を使わないというのは、大事なことなのだと思います。
続き言葉 は使わない
追って
追いかける
再び
再三
再三再四
再度
何度も
なおまた
なお
次に
続いて
続けて
続く
引き続き
さらに
加えて
繰り返し
繰り返す
重ねて
もっと
追伸
今一度
- 続き言葉が禁句である理由
- 続き言葉も重ね言葉と同じ理由で、喪主挨拶では避けるようにします。
- ご不幸が続かないように、続きを想起させるような言葉は控えます。
不吉な言葉 は使わない
消える
大変なことになる
落ちる
とんでもないこと
とんだことに
死を連想する数字の四
苦を連想する数字の九
流れる
敗れる
終わりに
- 不吉な言葉が禁句である理由
- 不吉な言葉も葬儀の場でそぐわないでしょう。
- 故人と年齢の近い人の気持ちを弱くさせるような言葉は控えるべきです。
直接的な表現 は使わない
死亡
死ぬ
亡くなる
死去
急死
自殺
生きる
生存中
ご存命中
生存
生きているころ
ご存命中
- 直接的な表現も避けるのが無難
- 直接的な表現も、日本では好まれません。
- 「死」という言葉を使わなくても色々な言い方があるので、当たり障りない表現に置き換えましょう。
宗派よって使わない言葉
仏教で使わない言葉
天国
浮かばれない
浮かばれぬ
迷う
浄土真宗では使わない
ご冥福
霊前
神式、キリスト教では使わない
お悔やみ
成仏
冥福
供養
往生
哀悼
- 宗派よって使わない言葉もあります
- 例えば、仏教では天国という言葉はないのです。天国に近いものを「浄土」とか「空の上」などといいます。
- 特に浄土真宗は、他の仏教と大きく異なるお考えなので、普通に使う仏教用語がそぐわないことが多いです。
忌み言葉はこう言い換える
上に挙げた禁句を含んだ喪主挨拶はタブーとなりますから、できるだけ挨拶文中に使わないようにしましょう。
ただ、葬儀の挨拶なので死に関することに触れなくてはならないこともありますし、ご挨拶文でよく使う表現の一部もタブーとなっているものもありますので、全部が使えないとなると大変です。
そのようなときは、禁句を言い換えることでNGワードを含まない表現に変えることができます。
重ね言葉の言い換えの例
益々、ますます ⇒ 一段と、よりいっそうの
いよいよ ⇒ 一段と
みるみる ⇒ 見るまに
まだまだ ⇒ より
だんだん、だんだんと ⇒ 少しずつ
重ね重ね ⇒ 深く
返す返すも ⇒ 本当に、まことに、振り返ると、思い起こせば
重々 ⇒ 十分に、よく、どうぞ
くれぐれも ⇒ 十分に、よく、どうぞ
度々、たびたび ⇒ よく、しげく、いつも
しばしば ⇒ よく、しげく
色々、いろいろ ⇒ 多様、多くの、多彩な
次々 ⇒ 立て続けに、休みなく、たくさん
たまたま ⇒ 思いがけず、珍しく
つくづく ⇒ 心から
近々 ⇒ 近いうちに
わざわざ ⇒ あえて
ぜひぜひ ⇒ ぜひ、ぜひとも
皆々様 ⇒ 皆様
どんどん ⇒ たくさん
日々 ⇒ 毎日
ときどき ⇒ 時折
- 重ね言葉の言い換えは、複数の言い換え候補があることが多く、文脈によって取捨してください。
言い換えても、繰り返す意味になってしまう場合もあります。
こういうときは、そもそもこれらの言葉を使わないほうがよいです。
× 再々、またまた
続き言葉の言い換えの例
追って ⇒ 後ほど、同様に
再三 ⇒ 頻繁に
再三再四 ⇒ 頻繁に
何度も ⇒ 頻繁に
再度 ⇒ 改めて
なおまた ⇒ そのほかに
なお ⇒ 補足すると
次に ⇒ その後、新たに、別の機会に
続いて ⇒ 同じく、同様に
続けて ⇒ 同じく、同様に、保つ
続く ⇒ 拡がる、保持する
引き続き ⇒ これからも
さらに ⇒ 一段と
加えて ⇒ 他に、その上
繰り返し ⇒ 加えて、深く、しきりに
重ねて ⇒ 本当に、まことに
もっと ⇒ 一段と、その上、おまけに
追伸 ⇒ 言い忘れていましたが
- 続き言葉の言い換えは文脈によっては当てはまらないことも多く、言い換えても「続くこと」を想起させてしまう準禁句もあるので、言い換えではなく、なるべく続き言葉を使わないように文章を組み替えるほうがよいです。
続くことを想起させる言葉にしか言い換えられない、以下の単語は、使わないようにして文章を組み直してください。
× 再び、追いかける、繰り返す、今一度
不吉な言葉の言い換えの例
四 ⇒ 「し」ではなく「よん」と発音すればOK
九 ⇒ 「く」ではなく「きゅう」と発音すればOK
- 不吉な言葉は言い換えても、別の不吉な言葉になってしまうことが多いので、不吉な言葉は基本的に使わないようにしたほうがよいです。
直接的な表現の言い換えの例
死亡 ⇒ 逝去(せいきょ)、他界
死ぬ ⇒ 逝去、他界
亡くなる ⇒ ご逝去、ご他界
死去 ⇒ 逝去、他界
急死 ⇒ 突然の事
生存中 ⇒ ご生前、お元気な時
ご存命中 ⇒ ご生前、お元気な時
生きている頃 ⇒ 生前は
生きている時 ⇒ 生前は
ご存命中 ⇒ お元気でいた頃
- 「死」や「生」について直接的な表現を避けた言い回し「逝去」や「生前」などがありますので、こちらを使うとよいです。
逝去や生前などの言い回しがうまく当てはまらない生死にかかわる言葉は、もとから使わないようにしたほうがよいでしょう。
× 自殺、生きる、生存
仏教で使わない言葉の言い換え
天国 ⇒ 浄土、天の上
神式、キリスト教の禁句の言い換え
死ぬ ⇒ 帰天(きてん)(カトリック)
死ぬ ⇒ 召天(しょうてん)(プロテスタント)
喪主挨拶の禁句のまとめ
このような禁句を気にする慣習は、実は、年々薄れてきていて、若い人はあまり気にしていないとの話も聞きますが、葬儀では色々な年代の方が集まりますから、いまだに忌み言葉を嫌う年配者は多いと思います。
そんな人たちに「あいつは常識も知らんのか!」と思われないように、やはり今でも、葬儀ではNGワードを避けたほうが無難でしょう。
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