葬儀費用を安く適正にする方法
葬儀費用を安くするには、いくつかの方法があります。
それぞれ一長一短ありますので、
まずは、ザッとどんなやり方があるか、
どんな特徴があるかをみてください。
会社や地域のしがらみがないなら
葬儀の規模を抑える
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規模が小さくなれば、会場費や料理代が抑えられ費用は下がる。
香典収入も下がるが、差引しても規模が小さいほうが安い場合が多い。
故人が高齢の場合は行いやすい。というか参列者が少ないほうが普通。
故人が現役会社員であったり地方の名士であったりすると、難しい。
時間があるなら
相見積もりを取る【急ぎに不向き】
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かなり大変だが、安い葬儀社を見つけるだけでなく値引きも引き出せる場合もある。
さらに、気の合う担当者と出会える可能性もあるので、かなりおススメだが、時間がかかるのが難。
2週間以上の余裕がある場合のみ、臨終後では難しい。
追加費用を抑える
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事前知識があればだれでもできる。
定額葬儀会社を使った場合は、基本的には不要。
普通の葬儀なら
定額葬儀会社の活用【急ぎも可】
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時間のない場合でも可、こだわりの葬儀には向かない。
簡単で減額効果も高く葬儀社の質も高め。
菩提寺がないなら
僧侶派遣の活用
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僧侶派遣会社を通すことで、お布施の金額を大幅に抑えることが可能。
ただし、菩提寺がある方は、この方法は使えません。
無宗教で送る
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無宗教でお坊さんも呼ばない、普通の告別式もしない場合は、本当に安くなります。
遺族や周囲の人達が納得がいくなら、こういう送り方もありなのかと思います。
安くはなるけど、おススメしにくい
区民葬・市民葬の利用
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品質やや落ちる、また制限が多い。
金額は抑えられるが追加費用が発生しやすいところも難。
自分でDIY葬をする
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総額10万くらいでできるが、実行には精神的にも作業的にも困難を伴う。
親族や知人の理解も必要だがこれも難しいと思う。
葬儀代がないなら、生活保護葬を検討したほうがいい。
互助会で備える【何年も前から】
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何年も前から準備する場合に有効。途中退会が難しいところもあり。
豪華な一般葬を割引料金で行いたい人向き。
葬儀費用を安くするには、このように、いくつもの方法があります。
あなたにあったやり方で葬儀費用を適正にしてください。
一番バランスの取れた安くする方法は、
「定額葬儀会社の活用」だと思います。
今、あなたが
・参列者が数人~100人までの葬儀を考えている
・ゆっくり検討している時間がない
・豪華でなく普通の葬儀でいい
・相場200万円より安くしたい
と思っているなら、「定額葬儀会社」がピッタリです。
定額葬儀会社は、手間をかけず、質を落とさず、安くできる仕組みなんです。
さらに、あなたに菩提寺がないなら、
「定額葬儀会社 + 僧侶派遣の活用」で、
質を落とさず、お布施も含めた葬儀費用総額を抑えた葬儀が可能です。
それ以外の方法も人によっては効果ありますので、具体的にみていきましょう。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
普通の葬儀なら定額葬儀会社を活用!
定額葬儀サービスの活用
定額葬儀サービスってまだ聞きなれないかもしれませんが、
・シンプルなお葬式
・小さなお葬式
・イオンのお葬式
と言ったほうが馴染みがあるかもしれませんね。
定額葬儀サービスというと、この3社が代表格です。
定額葬儀サービスとは、運営会社が、各葬儀社と事前に打ち合わせを繰り返し必要なモノ、サービスを予め厳選して、どの地域でも提携葬儀社が統一価格・統一サービスで葬儀を行ってくれるサービスです。
画期的なのは、提携している葬儀社の葬儀が入っていない時間を有効活用するので、一般的に葬儀社に依頼する場合に比べて圧倒的な低価格で質を落とさない葬儀ができることです。
定額葬儀サービスが安くできる理由
これについては、もう少し説明しましょう。
まずは、一般的な葬儀社のビジネスモデルを理解する必要があります。
一般的な葬儀社の仕事
喪主として葬儀社に葬儀の依頼をするのって人生の中でも1、2回ですよね。
それだけ葬儀社って購入頻度の圧倒的に低い状況にあるので、1回の仕事の粗利をかなり大きく設定しています。
ですので葬儀社は葬儀が入っていない日も多く、仕事が入ったときに大きく稼ぐ構造なのです。
仕事が入っていない日でも、お店の家賃や光熱費はかかりますし、授業員の給与も毎月払っていかなくてはなりません。
地元との関係性だけでは、多くの葬儀をとってくることは難しいはずです。
定額葬儀会社の関わり
もし、このような状況で、仕事の入っていない日に仕事を紹介してくれる会社があったらどうでしょう。
例え若干報酬が安くても請け負うのではないでしょうか。
この仕事を紹介してくれる会社が、「シンプルなお葬式」や「小さなお葬式」などの定額葬儀会社になります。
つまり定額葬儀会社が紹介する葬儀社は、本来は無駄になってしまう仕事と仕事の間の空いている時間に、仕事を紹介してもらうことで、格安で葬儀を引き受けています。
ちょうど飛行機に、通常料金のチケットと格安チケットがあるのと同じ理由です。
定額葬儀サービスの質が担保されている理由
そもそも定額葬儀サービスを通してきてくれた葬儀社は、普通の葬儀社です。格安専門の葬儀社ではありません。
モノやサービスの質を落とすことで安くしているのではなく、葬儀社の空き時間を活用することで安くしているので、質は担保されるのです。
さらに、
この葬儀社紹介サービスは、自社のサービス名でいろいろな葬儀社を手配するので、1つの葬儀社がトラブルを起こした場合、紹介サービス自体の評判が著しく悪くなり、サービスの拡大や継続自体が難しくなるという一面を持っています。
つまり今時点である程度有名になっているか「シンプルなお葬式」や「小さなお葬式」は、そのような重大な危機に見舞われていない、厳選した葬儀社を紹介し続けている会社であるといえるでしょう。
定額葬儀サービスのデメリット
いいこと尽くめの定額葬儀サービスですが、人によってはデメリットと感じることがあります。
定額葬儀サービスのデメリットは
事前に葬儀会社を選べないことです。
どういうことかというと、定額葬儀サービスは葬儀社の空き時間を活用するため、こちらが頼んだ葬儀の当日に空いている葬儀社が来てくれることになります。
葬儀は急に入る場合も多く、定額葬儀サービスと提携している葬儀社も、自社でお客さんをとれればそちらのほうが高い葬儀費用をお支払いいただけるので、自社に直接来たお客さんを優先します。
ですので葬儀社を予め指定することはできないんです。
ただ一定レベル以上の葬儀社を揃えているので、どこの葬儀社が来てくれることになっても葬儀内容もあらかじめ決まっていますしサービスに大きな違いはないので、心配することはないでしょう。
定額葬儀サービスが向いている人、向いていない人
向いている人
・できるだけ安く葬儀をしたい
・見積もり比較の時間がない
・普通の葬儀をしてあげたい
向いていない人
・こだわった葬儀をしたい
・特定の葬儀社を使いたい
・100名超の葬儀をしたい
普通に葬儀を安くしたい、でも葬儀の質は落としたくないという一般的な要求にたいしては定額葬儀サービスは非常に向いています。
代表的な3社のなかで、特に、
シンプルなお葬式が価格面で一歩リードしています。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
僧侶派遣の活用
寺院にお包みする分もかなりの金額になります。
日本消費者協会のアンケートによると寺院にお包みした金額の平均は約 45万円です。
お布施については、菩提寺があるかないかで状況が全く違います。
菩提寺がある場合
菩提寺のある方の場合は、むやみにお布施の金額を削ることは難しいようです。今までのお付き合いからどれ位のお布施になるかは、菩提寺側も算段しているので、それを逸脱することは難しいのです。
うちは菩提寺がないので、その大変さを実感できませんが、聞く話によると、それはまあ大変みたいです。
親戚の話ですが、お爺さんの代で物凄く大きな葬儀をされた方だったのですが、それに続く方の葬儀のお布施が高くて高くて、ついには引っ越していました。
お布施って本来はお布施を包む側が金額を決めてお寺さんにお包みするものかと思っていましたが、その親戚の話によると金額が少ないと足らないので後日お寺に持ってきてくださいと言われたそうです。地域による慣習の差とかあるのかもしれませんが、引っ越しまでする気持ちも少し分かりました。ここまでの話は、たぶん珍しいケースだと思いますが、現実の話です。
菩提寺がある方は、先代がなくなられたときのお布施が基準になってしまうようです。
菩提寺がない場合
菩提寺がない場合は、葬儀社が読経や戒名授受していただく僧侶をご紹介してくれます。
そのときにお布施の参考金額を教えてくれたり、葬儀社が出す見積もりのなかに、直接僧侶に渡す項目として金額まで明記してあったりします。
ここでもお布施本来の喪主側が金額を決めてお包みする余地はありません。
ただ、この一連の流れに絶対に従わなくてならない訳でもありません。
菩提寺がないなら、葬儀社から紹介される宗教者にお願いせずに、僧侶派遣サービスを利用すると、大幅に寺院に払う費用を抑えることができます。
僧侶派遣サービスを使うときの注意
僧侶派遣サービスを使うのは菩提寺のない人だけです。
菩提寺がある人が、僧侶派遣サービスを使って葬儀や四十九日法要をあげた場合、まず十中八九、菩提寺と揉めます。最悪、菩提寺にあるお墓に入れてもらえないこともありますので、菩提寺がある方は僧侶派遣サービスを使わないほうがよいでしょう。
微妙なのは、「菩提寺って何?という人」や、「菩提寺があるのかないのかよくわからないという人」や、「今東京に住んでいて菩提寺は地元にあるけど、ほとんど行ってないという人」の場合は、こう判断してください。
故人が入る予定のお墓がお寺にある人は、そこが菩提寺です。葬儀の際はそのお寺に相談してください。
菩提寺が遠方にあり加えて住職がかなりの高齢になっている場合は、東京での葬儀は、葬儀社から紹介してくれる僧侶や僧侶派遣会社を使ってもよいとの許可が出る場合もありますので、まずは相談してみてください。
僧侶派遣サービスを使うときは、玉石混合のなかから、今のあなたに合った僧侶派遣会社を選べるかどうかがカギになります。
僧侶派遣会社の選び方は、こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
規模を抑えて葬儀費用を安くする
参列者の数をおさえて、一般葬ではなく家族葬とすると、葬儀費用を安くすることができます。詳しくみてみましょう。
葬儀の規模とおおよその葬儀費用
葬儀の規模は、1名から数百名までさまざまな大きさの葬儀が執り行われています。
参列者の数によって大きく分けるとこの3段階になります。
葬儀形態 | 参列者数 | 葬儀費用 |
---|---|---|
一般葬 | 50~200名 | 90~170万 |
家族葬 | 10~30名 | 60~120万 |
直葬 | 1~数名 | 10~20万 |
※ここでいう葬儀費用に宗教者への支払いは含みません。
一般葬も、今ではめっきり減りましたが、親族、ご近所、遺族の会社関連の方まで広く連絡して集まっていただくもので、何人参列いただけるのか終わってみないと確定しません。料理の量や会場の大きさなどを決めるのが大変な葬儀形態です。
家族葬で、送られる方が増えました。家族、親族を中心に、故人と特に親しかったご友人に参列いただきます。
直葬は、亡くなった病院などから火葬場の安置所に移し、短いお別れの後、火葬するもので、費用は安くできますが、後々遺族の中に後悔の念を残すことが多いので、やむを得ない場合以外は避けたいものです。
これ以外にも密葬というなんともこじんまりとした響きの葬儀もありますが、実態は逆で、本葬の規模が大きくなりそうなときに、家族や親しい間柄の人が、しめやかに送る時間を取るために、まず密葬を行い、お骨にしてから改めて一般の人を招いて告別式やお別れの会などを行うものです。密葬は本葬とセットで行われることが前提なので、全部通すと規模も葬儀費用もかなりかさみます。会社社長や芸能人などが亡くなったときなどに行われるもので、一般的ではありません。
普通の人は、最近では、家族葬を選ぶ人が多いです。
特に故人が高齢で施設に数年以上入っていた場合は、地域とのつながりも薄くなり、ご友人も健康面からなかなか参列が難しくなっていることが多いので、そもそも参列者が少ないというのが家族葬が増えた理由です。
家族葬は、一般葬よりもザックリ30~50万円くらいは安くなります。
ただ香典収入を考えると、参列者が少ない家族葬や直葬だと、収支トータルでそんなに安くならないと言う人もいますが、本当にそうでしょうか?
香典収入を含めた場合の葬儀費用
香典収入は
香典の平均が、友人知人も親族も平均すると6000~7000円と言われています。
ここでは7000円と仮定して、
半返しして3500円が残ります。
参列者お1人にかかる費用は
料理が1人前4000円として、人数の7割を準備したとして、
1人あたり2800円
会葬御礼500円を足して
1人あたり3300円かかる計算になります。
香典の収支は
すごいザックリとした計算ですが、
香典収入3500円-おもてなし費用3300円=200円となり、
香典の収支は、ほぼトントン。
ということで、参列者が多くなった分、きっちり費用はかかりますので、参列者が多ければいいというものではありません。
香典収入を考慮しても、
家族葬は、一般葬より安くできると思っていいでしょう。
ただ例外もあります。
一般葬でも200人とか300人くらいの参列者が訪れる葬儀の場合は、ホールに入りきれないのが前提で、食事を口にする人も少なく、参列者の多くは、香典をお渡しして、ご焼香だけして、短時間でおいとまする方が多いので、このくらいの規模になると香典収入が料理代金などを上回り、収支面では楽になります。ただ、亡くなる年齢が高齢化するなか、ここまで参列者が集まるのは珍しいケースになっています。
家族葬にするのは大変か
人数を抑えると葬儀費用が安くなることはわかりました。
では、葬儀に呼ぶ人数を抑えて家族葬として葬儀を行うことは大変でしょうか?
結論を先に言っておくと、全然大変ではありません。
そもそも最近では、自然と小規模な葬儀になってきているくらいです。
参列者の数を喪主が決められるか
以前は、参列者の数を喪主が制限することは、ほとんど不可能でした。
会社に親の訃報を知らせると社内に掲示されたり、近所の世話役に葬儀のお手伝いを頼むと町中に伝えてくれるおばさんがいたりして、参列者の数は抑えるどころか正確に予想することも困難でした。
訃報を知った近所の人達や故人の息子や娘の会社の上司同僚なども葬儀に参列することが当たり前でしたので、何人来るかは葬儀が終わってからでないと分からなかったのです。
ところが、最近では葬儀の参列者の数は減ってきており、
親族と故人と特に親しかった友人だけで送ることのほうが普通になりました。
特に都市部ではご近所付き合いがなくなり、町の誰が世話役なのか全然わからないのが普通です。というかそんな仕組みすら知らないんじゃないでしょうか。
会社に連絡しても、訃報に一般の参列は辞退する旨の文言を付けて掲示されることが普通になってきています。
このような環境ですから、葬儀に来てもらう人は、喪主が選んで個別に連絡することが当たり前になり、人数を抑えようと思えば、抑えられるのです。
遠い親戚には、葬儀後に「通夜、告別式を行いました」とか「まことに勝手ながら故人の希望で家族のみで送らせてもらいました」など事後報告になったとしても、仕方がないという風潮にもなってきています。
このように、最近の葬儀では、喪主の判断である程度は参列者数を決めることができるようになってきました。
参列者はそもそも減っている
それどころか、多くの参列者を呼ぼうとしても、参列者が集まらない事情もあります。
最近は、亡くなられる年齢が上がって、80才、90才なんて珍しくありません。
当然会社勤めもとうの昔に終え、多くの方が入退院を繰り返していたり、特養などの施設で最後を迎えられる方が多いです。
施設に何年か入っていると、今迄のご近所とも疎遠になり、ご友人も同じように高齢のため健康状態がすぐれない人が多く、葬儀の連絡をしても、会場まで出て来れる人が非常に少ないです。
加えて息子、娘の会社の同僚などが葬儀に参列するという慣習もここ数年急激になくなりました。
社会の変化が、葬儀の在り方にも影響を与え、小規模な家族葬で故人を送ることが多くなっています。
葬儀の規模を抑えることの効果
確かに葬儀の費用は、参列者の数に影響を受ける部分が多いです。
葬儀の規模が小さくなることで、
会場の大きさ、案内看板・案内人の有無、入りきれない人のためのテントの有無、会葬御礼、通夜振舞い、精進落しなどの数が減り負担が軽減されます。
そして何よりも本当に故人のことを思っている方々で、じっくりと送れるというのも規模を小さくすることで得られる効果だと思います。
金額的にも葬儀の運営的にも遺族の負担が軽い家族葬は、よい選択だと思います。
参列者を少な目に見積もるコツ
そもそも家族葬の場合は、連絡していない人が突然参加されることは少ないので、参列者の見積もりはかなり正確にできますが、それでも少な目に考えて料理などの手配をしておくおことは有用です。
具体的には、通夜振舞いは、参列する旨のお返事をいただいた人の7割くらい、告別式後の精進落しは、友人知人の分は除いて親族の人数分+1が基本です。
告別式の後に火葬場までいくのは親族のみの場合がほとんどで、火葬の後に親族で食事をとります。このとき影膳といって故人の分も用意する慣習が残っているので+1します。
普通のパーティーでは、参加者を少な目に見積もって料理を少なくしたり、会場を小さいものにするのは、やっちゃいけないことですが、
葬儀においては、参列者を少なく見積もることは、昔から当たり前のこととして捉えられています。
いままで普通だった一般葬の場合、何人いらしてくれるか当日にならないと分からないと言う性質のものでしたので、通夜振舞いが少なかったり、ホールに一度に入りきれないなどは普通のことでした。
ホールに入るのを待つ人のためのテントが用意されたり、故人から遠い関係であれば通夜振舞いは手を付けなかったり、いただいてもお寿司を1~2貫つまんで、早々においとまするというのが暗黙のマナーでした。
家族葬が主流となった今でも、この考え方は参列される方々のなかに残っていますので、少な目に見積もっておくといいでしょう。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
相見積もりで安くする
葬儀社を探すには、相見積もりが基本です。
相見積もりによって、
相見積もりのメリット
・良心的な価格設定の葬儀社を探せる
・葬儀費用の割引きにつながりやすい
・信頼できる担当が見つかる場合も
このようなメリットがある反面、欠点というか実行が難しい面もあります。
相見積もりのデメリット
・2週間くらいかかる
・比較が難しい
特に時間がかかるのはどうしようもないので、すでに故人が亡くなってしまった後から葬儀社を探すには向きませんが、時間にまだ余裕があるなら、相見積もりはとても有効なんです。
相見積もりの頼み方
複数の葬儀社に見積もりを出してもらうときに一番大事なのが条件を揃えることです。
葬儀の見積もりを作る時に、喪主側で決めておかなければならないことは、
見積もり依頼時に伝えると
・親族の人数
・参列者数
・希望の斎場
・白木祭壇か花祭壇か
これらは直前で変わってしまっても大丈夫です。
ただ、見積もりを頼むとき各葬儀社に同じ条件で作ってもらうのに必要な項目になります。
どんな斎場が近所にあるのか分からなければ、葬儀社に皆さんが良く使われる斎場を2~3選んでもらい、各斎場毎の見積もりを出してもらいましょう。
公営斎場か民間斎場かによって金額がかなり変わりますし、場所によっては霊柩車、マイクロバスなどが不要になったり、斎場スタッフへの心づけが不要になったりと見積もり上かなり金額が変わってきます。
葬儀内容の内訳の理解が大事
相見積もりをとって、葬儀内容を比較する際には、見積もりの内訳をキチンと理解しておくことが必要です。
葬式を1つあげるには、葬儀社だけでなくいくつもの業者や寺院の協力が必要です。
当然、それぞれに費用が発生します。
具体的には、
葬儀に関わる業者等
・葬儀社
・寺院
・斎場
・火葬場
・仕出し料理屋
大きく分けると、この5つの業者や寺院に協力いただくことになるのですが、
支払いのパターンが様々で、はじめて喪主をする方は混乱しやすい部分です。
葬儀をすることになった、もしくはなりそうなタイミングで、まず葬儀社に相談に行きますが、
そこで葬儀社が出してくる見積もりが曲者で、葬儀社への支払い分だけなのか、他の業者の支払い分まで含めたものなのか、どの業者まで含めているのかなどをしっかり把握しなくてはなりません。
葬儀社見積もりのよくある組み合わせとしては、
・葬+斎+火
・葬+斎+火+料
・葬
・葬+斎+火-健保補助金
・葬+斎+火+料+寺+心づけ
寺院へのお布施はめったに葬儀社の見積もりには入っていません。
健康保険や後期高齢者保健から葬儀費用の補助金が5万円前後出るのですが、葬儀社によってはこのお金を値引きのように見積もりに入れているところもあるので、比較するときは注意してください。
逆に、とても気の廻る葬儀社になると、お布施や霊柩車運転手や火葬場の火夫への心づけまで見積もりに入れているところもあります。
見積もりの体裁から、良心的な業者か判断
葬儀費用は葬儀社以外に僧侶や料理屋などいくつもの業者に支払いが発生しますが、葬儀社に支払う以外の支出も見積もりに含めて分かりやすく提示してくれる葬儀社は信頼が置けます。
例えばこんな感じ
葬儀社へのお支払い | 葬儀社以外へのお支払い |
葬儀一般 120万 葬儀一般の内訳 | 僧侶 50万 |
料理屋 40万 | |
火葬場 25万 |
ポイントは、どこにいくら支払うのかハッキリ書いてあること。
さらに、どの項目が、変動する可能性があるのか、説明がある葬儀社がよい葬儀社です。
変動する項目とは、
葬儀までの日数が伸びた場合
・安置料
・ドライアイス
火葬場や斎場が少ない東京では、よくあることです。
特に年末年始にかかると1週間くらい待ちになる場合もあります。
1週間を超えるとドライアイスだけでは維持が困難となり、冷蔵施設がある保管場所かエンバーミング処理が必要になります。
人数が変動したとき
・通夜振る舞い
・精進落とし
・返礼品
人数も見積もり時点では読みにくいものです。
一般葬では変動することを前提に、家族葬でも予定人数ピッタリにはいかないと考えておいたほうがいいでしょう。
通夜振る舞いはお寿司屋やオードブルのように取り分ける料理ですから、参列のお返事をいただいた方の人数の7割くらいを用意すればいいでしょう。このような点も見積もり時に提案してくれる葬儀社を選びたいものです。
火葬場付の斎場が予約できるかどうか
・霊柩車
・マイクロバス
代々幡斎場のように火葬場が併設された斎場の予約が取れれば、霊柩車やマイクロバスが不要になるので、その分安くなります。
公営火葬場がとれるかどうか
・火夫への心づけ
・給仕係への心づけ
公営の火葬場では、心づけは不要です。料金も安いのでありがたいのですが、東京ではあまりに数が少なくて、民間の火葬場が普通になっています。
葬儀費用の内訳パターンはまさになんでもありの状態なので、慣れないと2社比較をするだけでも骨の折れる仕事になるのです。
正直に言って、これを何社もの業者を一気に比較するのは、大変です。
もし、ここまでする時間がとれない場合は、定額葬儀サービスが便利です。
ぼくが 葬儀社を探したときは、葬儀社紹介会社とこの定額葬儀サービスの違いが分からず、あんまり真剣に調べなかったのですが、今、改めて見てみると単なる葬儀社紹介会社とは異なり、定額葬儀サービスは、安い価格で十分納得のいく葬儀があげられる仕組みになっています。
葬儀費用の見積もりを割引きしてもらうには
葬儀費用を見積もりの段階で割引きしてくれる葬儀社もあります。
車を買うときもそうですが、いくつかのディーラーを廻って車の性能や価格を比較しているとディーラーのほうから価格交渉してくることもよくありますよね。
葬儀は車以上に成約頻度が低いので、葬儀の依頼を受けれるかどうかは葬儀社としては、一大事なんです。
成約頻度が低い商売は、粗利を大きめに設定しています。
別に暴利というわけではなく、そうしないと商売がなりたたないから、そうなっているんです。
粗利を大きいので、値引きに対応できるのです。
コンビニでうまい棒1本買うときに値引き交渉しませんよね。でも車を買うときには値引きありきで考えるのと同じで、葬儀社も成約頻度が低く粗利は大きいですから、値引いてくれることも珍しいことではありません。
ただ、ちょっとしたコツがあります。
それは、やはり相見積もりです。
葬儀社は、お互いの見積もりを非常に気にかけています。
特にインターネットで集客していて、いつでも無料相談にお伺いしますと言っている新興の中小葬儀社は、大手の見積もりに非常に敏感です。
このような葬儀社は固定費があまりかからないので、見積もり金額で大手と勝負したいと考えているのでしょう。
当然、他社見積もりをもとに値引き交渉にも対応してくれやすい葬儀社です。
ただ、質的にはどうかというと、まさに玉石混合状態です。
質を判断するには、出張相談ではなくて、その会社にこちらから出向いて相談するのが一番です。いろいろな気づきがあると思います。
詳しくは、こちらにも書きましたので、参考にしてみてください。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
追加費用を抑えるのも大事
定額葬儀会社を利用した場合は問題ありませんが、一般の葬儀社の場合、式をすすめる途中で様々な追加費用が発生する場合が多いです。
当たり前ですが、都度追加費用の発生を葬儀社スタッフが相談してくれます。
ここで本当に必要な追加費用といらない追加費用かを判断しなくてはなりません。
まず、覚えておいてほしいのは、
「皆さんそうされていますよ」
「故人の最後の〇〇ですから」
と葬儀社に言われたときは、注意してください。
特に日本人は「皆さんそうされていますよ」に弱いです。
まあ、みんなと一緒ならいいかと思い、よく考えずに本来いらないオプションまで頼んでしまうこともしばしば。
本当に必要か自分の基準で考えてください。
葬儀一式の中には、昔は故人やその家のステータスを表すものがたくさん盛り込まれていました。
近所の人から親戚縁者、さらには故人の子供の会社関連の方までたくさんの人が列席するなか、そういった見栄の部分がどんどん重視されていったのでしょう。
例えばこんな感じ、
親族全員がハイヤーで移動
葬儀会場前に大きな花輪がいくつも並ぶ
彫刻が全面に施されたヒノキの棺桶
巨大な祭壇
たくさんの僧侶に読経いただく
今では、そもそもたくさんの方に列席いただく一般葬自体が激減していて、親族と故人と親しい友人達でおくることが主流となってきているので、見栄のためにかけていたお金は、もう必要ないでしょう。
上にあげたようなオプションを勧められても、安易に了承しないことです。
葬式をあげる機会があまりない僕たちからしてみたら、何が必要で何が余計なものなのかが、よくわからないことが葬儀社の提案を鵜呑みにし、想定を超える金額がかかってしまうことに繋がっているのでしょう。
喪主となったからには、葬儀に本当に必要なものなのか、ただの見栄を満たすだけのものなのかを区別できるようになることが大事です。
でも、あんまりそんな情報ないですよね。少なくとも葬儀社からは出てこない情報です。
必要なのか必要でないのかは、
喪主やその家の考え方にもよることなので、これは必要、これはいらないと白黒ハッキリつけるのは難しいですが、僕個人が実際に葬儀をあげる過程で感じた、僕の個人的な感想としての「いらないんじゃない」と思うものをあげてみます。
豪華すぎる棺はいらない
棺は葬儀にかかるものの中でも最も価格差が出るところです。
数万円~100万円以上になることもあります。
一番高いのは、全面に彫刻による装飾が施された檜無垢インローつくりの棺などは、300万円を超えるものになります。
でも、結局燃やしてしまうので、どうなんでしょう?僕はいらないと思いました。
これが必要な人は、故人が同族会社などの組織のトップで、喪主が受け継ぐような場合、葬儀が社会的地位の継承の儀式としての意味を持ち、周りの者にしっかりと親を送っていることを知らしめる必要がある場合などでは、このような豪華な棺を使った葬送もありなのかなと思います。
普通の人には、10万前後の布棺という棺が人気のようです。この棺は、表面全体に布を貼ってあり、さまざまな色やデザインを選べ、そこそこ高級感もあることから多くの人に選ばれているようです。
立派すぎる祭壇は不要
葬式の格を端的に表すのが、祭壇の大きさです。祭壇も棺にならんで価格差が大きいところです。
昔は、葬式といえば、白木の祭壇が使われていました。これは故人のためだけに用意され葬儀のあとは燃やされたりして、使い回されることはなかったそうです。今も白木祭壇を選ぶことはできますが、最近の白木祭壇は使い回しするようで、あまり人気はないです。
最近は、花祭壇が主流です。生花を全面にあしらった祭壇です。生花ですので本当に通夜告別式の2日間持たすのがギリギリ、使い廻しができない、まさに故人の為だけの祭壇になります。故人が女性でも男性でも、この花祭壇を選ぶ人が多くなっています。
最後のお別れの時に、遺族みんなで、この花祭壇の花を棺いっぱいに入れて花に囲まれてお別れとなるのも花祭壇のいいところです。
いいことづくめの花祭壇ですが、サイズをちょっと大きくすると大幅に高くなります。あんまり小さいと逆にさみしい感じになってしまうので、最低でも棺よりも大き目の2メートルくらいの横幅はほしいところです。
花祭壇の価格は、サイズとデザインで変わってきます。一般的にはデザインはお任せで30万円くらいからあります。
芸能人などの葬儀で巨大でデザインも凝ったものになると1000万を超えるこのもあります。
そのくらい価格差が出やすい部分なので、この選択がとても重要です。
ただ単に安い花祭壇にすればいいという話ではありません。
豪華な花祭壇をリーズナブルに
豪華な花祭壇にしながら、出費を抑える方法を2つ提案しましょう。
ひとつは実際に僕が喪主を務めたときに行ったのですが、とてもよかったです。
2つめの方法は、やったことないのですが、葬儀のことを調べていて、たまたま知った方法ですが、この方法も、とてもいいなと思いました。
・供花を喪主が多めに手配する
・芳名版方式で花祭壇を作る
どちらの方法にしても、出費以上にしっかりとした祭壇となるうえに、色々な方のお名前が掲げられることで、故人が多くの人に支えられていたことが実感できるいい祭壇となることが最大のメリットです。
高級な骨壺はもったいない
骨壺にランクがあること自体が不思議ですが、火葬場で用意されている骨壺は5段階くらいのランクがあります。
骨壺が見えるのは収骨のときの10分くらいと、納骨のときに一瞬見えるくらいです。
収骨が終わるとすぐに布をかけ、木箱にしまい、家で四十九日まで供養するときもその布はかけたままにしておきますから、骨壺を高いものにする意味はよくわかりません。
たった11分のために、桁違いの金額を払うのはもったいないと僕は思います。
また一度高い骨壺にしてしまうと、次からもずっとそのレベルに合わせなくてはならないような脅迫観念に襲われかねません。子供や孫のなど子孫のためにも程ほどの骨壺がいいのではないでしょうか?
生前に故人に受けた事に対する感謝を表したいのなら、普通の白い骨壺のひとつ上の青磁の骨壺あたりが良いように思います。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
区民葬、市民葬は、安いのか?
区民葬、市民葬という送り方もあります。
各市区町村ごとの取り組みで、故人もしくは喪主のお住まいの地域ごとに詳細は異なりますが、大筋はどこも変わりません。喪主の年収に関係なく利用することができます。
詳しくは、各家庭に無料配布される「わたしの便利帖」に料金なども載っています。
区民葬、市民葬とは
区民葬、市民葬の大筋は、役人と有志の葬儀社ができるだけ廉価な基本料金を設定して、同じ区内や市内で、区民葬、市民葬をあげる場合は、区民葬、市民葬に賛同している葬儀社であれば、どこでお願いしてもその廉価な基本料金は変わらないというのが骨子です。
葬儀費用の見積もりがとても分かりにくいので、お役所が介在して、安い基本料金を決めてくれているのは大変ありがたく心強いことだと一瞬思いました。
しかしながら、この基本料金でカバーできる範囲がとても狭く、まったくもって、基本料金だけでは満足のいく葬儀は行えません。
基本料金内に含まれている項目は、自治体ごとに違うのですが、概ね十分でないです。
それなりの式を望むなら、かなり追加オプションが必要になってしまうのです。
しかも、基本料金以外は各葬儀社にお任せなので、価格はマチマチです。
実例をみてみますと、ある区の基本料金に含まれていない項目を見ると、
ある区の区民葬で基本料金に含まれていない項目
・棺
・ドライアイス
・安置料金
・遺影写真
・焼香用具
・白木の仮位牌
・役所手続き代行
・
・
っていうか、ほとんど入ってないじゃない!
棺が入っていないってすご過ぎですよね。
棺なしでは火葬自体ができないので、明らかにオプションありきの制度です。
ここからは勝手な想像ですが、お役所との話し合いで決めた料金だけでは葬儀社として商売が成り立たないので、追加料金がそもそも発生しやすい仕組みにして、その追加料金で相応の利潤を確保するというお話なのかなと思います。
それと、知っておくべきは、生活保護葬のように補助金が出る話ではありません。
区民葬、市民葬と聞くと、なんか安くて良心的なイメージですが、いくつかの制約もあるようです。
僕自身は区民葬をしたこともないですし、親戚や友人も区民葬をしたというのは聞いたことがありません。
検索してみても区民葬でよかったという口コミもほとんど見当たりません。
民と官が協力して行って、うまく行くことは珍しく、第三セクターとよばれる官民一体の事業のことごとくがとん挫していることからもそれを物がったています。
なぜこうも成功例が少ないかといえば、責任の所在があやふやになり、関わる人すべてがどこか他人ごとになっているせいかと思います。
役人が絡むことでも、補助金や助成金のようにお金を直接いただけるものであれば、喜んで受け取りますが、区民葬や市民葬では、そのような金銭的な供与はなく、役人があらかじめ民間の一部の葬儀社と交渉して、葬儀費用の基本的な部分のみ廉価な統一価格としたものです。
葬儀費用の見積もりが難しく、事前見積もりと最終的な支払額に大きな隔たりが生じることが多いなか、この取り組みの着眼点は素晴らしいと思います。
通夜振舞いや精進落しの料金も別ですし、またそもそもの基本的なサービス部分がちょっと低品質だという口コミも散見されてます。
区民葬とは、お役所のお墨付きの業者が低価格で葬儀をしてくれると思っていたら、かなりイメージと違ったなんてこともよくある事のようです。
区民葬を選ぶなら、似て非なる定額葬儀サービスを使ったほうが安くて満足したという方が多いです。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
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⇒ 相見積もりで安くする
⇒ 追加費用を抑える
⇒ 無宗教で送る
無宗教で送る
日本人の多くは、普段からお経を唱えているわけではありませんが、なぜか葬儀となると仏教で執り行います。
このようなにわか仏教を揶揄して「葬式仏教」と言われることもありますが、とにもかくにも葬儀は仏教でというのが今までの日本の葬儀の形でした。
ところが最近になって、葬儀に宗教を取り入れない人達も現れてきました。
宗教者を呼ばないので、葬儀の慣習を踏襲することもなく、お通夜や告別式も従来の形にとらわれる必要がない、というよりは、宗教者抜きでは従来の形ではできないというのが正直なところ。
では、どうしているのかというと、このような送り方をされているのです。
無宗教での送り方
・自宅くつろぎ安置+直葬
・直葬+お別れ会
自宅くつろぎ安置+直葬は、従来の家族葬にあたる送り方で、自宅で安置できる場合、火葬までの間、
家族やその日集まれる親族が集い、大き目の花を買ってきたり、故人が生前好きだった食べ物を買ってきたり出前を取ったりして、生前の話に花を咲かせて、故人と一緒の最後の時間を過ごし、後日、火葬場にて火葬してもらう流れです。
その中に宗教色はありませんが、これが一番心温まる送り方ではないかと感じました。
世間体にうるさい親族がいなければ、とてもいい葬送だと思います。
直葬+お別れ会は、従来の一般葬にあたると考えると分かりやすいです。
こちらはちょっと規模が大きくなります。
まず火葬をしてから、後日改めて、故人と親交のあった方々を呼んで、ホテルなどで「お別れの会」や「偲ぶ会」を行うというものです。一般葬に近い感じですが、その流れの中に焼香などの宗教行事はなく、花を手向ける献花を行う場合が多いです。
誰に頼むの
宗教行事は行わないといっても喪主や遺族だけですべてできるかというとそんなことはなく、要所要所で葬儀社の力を借りることになります。
ご遺体の搬送や安置処理、その後の納棺、火葬の手続きなどなどは葬儀社に頼む項目になります。ほとんどの葬儀社には直葬プランというのがあるので、こちらを選べば大丈夫です。
お別れの会は、特にしきたりがハッキリ決まっているわけではないので、葬儀社に頼まなくてもいいでしょう。最近ではお別れの会のプロデュース会社などもありますが、自分達でホテルなどの会場をとって、料理などはホテルの人と相談すれば、普通に自分達でできると思います。
無宗教で送るときの費用
費用的には、圧倒的に安く収まります。
宗教者を呼ばないことで、
無宗教で送ったときの減額幅
・寺院に払う45万円 ⇒ 0円
・葬儀社に払う120万円 ⇒ 20万円
料理接待費や会場費はかかりますが、一人当たり会費が1~2万円くらいが相場で、通常は半返しの慣習もないので、料理代も会場費も十分賄えます。
葬儀の負担額は、なんと、葬儀社の直葬プラン代金の20万円程度に収まることが多いです。
故人も喪主自身も親族も宗教に拘りがないなら、このような形で、思いのある人だけが集まり、宗教儀式に囚われずに故人のことを思い、葬送するというのもありだなと思います。
⇒ 定額葬儀会社を使う
⇒ 僧侶派遣を使う
⇒ 規模を抑えて安くする
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⇒ 無宗教で送る
互助会で備える
互助会は、多くの参列者を迎えた豪華な葬儀を考えている人向けのサービスです。
かつては、葬儀を挙げる人の4割が利用していたとの記録もあります。
最近は、葬儀の規模が小さくなり、昔に比べて住居の異動も多いので、前もって特定の互助会にお金を入れ続けるリスクが増え、メリットは少なくなっています。
そのため最近では互助会で葬儀を挙げる人は、かなり減ってきています。
互助会とは
互助会って言葉は聞いたことある人も多いと思いますが、ハッキリとはわからないという人も多いのではないでしょうか?
葬式の豪華さが、その家のステータスを示していた時代は、亡くなる何年も前から互助会に入り、毎月一定額を支払うことで、豪華な葬儀をそこそこの出費で行うことができたようです。
最近は、多くの参列者をお招きする一般葬そのものが廃れつつあるなかで、今から互助会に入ろうとする人もあまり多くないのが実情です。
互助会として有名な企業は、
ベルコ、セルモ、アルファクラブ武蔵野などがあります。
互助会のメリット
・急な出費が抑えられる
・会員優待割引が受けれる
・豪華な設備が使える
互助会のデメリット
・先にお金を積み立てる必要がある
・積立金だけでは足らない時もある
・解約時のトラブルが多い
家族葬などの小規模な葬儀が主流となっている中で、あえて互助会に入って、前もって葬儀費用を積み立てなくてもいいのかなと思います。
葬儀費用は誰が負担するの?
喪主やその兄弟姉妹には気にかかるところですよね。
昔は簡単でした。
長男が喪主を務めて、喪主が葬儀費用を支払うというのが一般的でした。
しかし民法が改訂されて、故人の財産の相続は、長男だけでなく兄弟姉妹が平等に行うようにと定められてから話は単純ではなくなりました。
民法が定めるように本当に兄弟姉妹に均等に遺産相続がなされるなら、かかった葬式代も兄弟姉妹みんなで均等に負担すれば問題ないと思います。
しかし、現実に目をやれば、遺産の多くは、土地、建物や事業会社などであることが多く、均等に分けることが難しいものが多いのです。例えば、兄弟で、土地などを分割して相続した場合、1つの建物が立っている1/2となった土地なんて、他人は誰もほしがりませんから価値が激減します。銀行の担保にすらならないです。
このようなことを避けるために兄に土地、建物を相続させ、現金や有価証券は弟に相続させるなどで対応している家が多いと思います。
現実を見ると、「昔の長男総取り」と「民法で定める平等に相続」の中間くらいの相続が多いのかと思います。
というわけで、長男が葬儀代をすべて持つのもキツイし、兄弟が均等というのも一部から不満が出かねない、微妙な状況になっています。
このような状況な踏まえ、一番スムーズにいく葬儀費用の負担案がこちらです。
葬儀費用の負担案
1)香典の半分を葬儀代に充てる
2)故人が残した現金や預金
3)残りは、喪主が負担する
うちもこれでやって兄弟仲を崩さないですみました。
1)香典の半分を葬儀代に充てる
まずは、いただいた香典の半分を葬儀費用の支払いに充てます。
これは異論のないところでしょう。
残り半分は四十九日のタイミングで香典返しの費用に使うので現金のまま、四十九日前まで取っておきます。
家族葬の場合は、そんなに集まりませんが、参列者の多い一般葬でしたら、葬儀代金のすべてを賄うことはできないものの、それなりの金額にはなると思います。
2)故人が残した現金、預金から
次に、故人の相続財産がある場合は、現金もしくは預金や郵便貯金を優先して充てるとよいと思います。
相続税の計算を行う際にも、葬儀代は故人の財産から経費として差し引くことからも、故人の財産で葬儀をあげるという考えは一番しっくりくると思います。
注意すべきは、銀行や郵便局は、預金者が亡くなったことを知った時点から口座を凍結し、自由にお金が引き出せなくなってしまうので、その前に葬儀に必要な金額は別口座に移しておくとスムーズです。
後々トラブルになることを避けるために、普段使っていない銀行に喪主名義の口座を新たに開き、移しておくといいでしょう。
故人が入っていた生命保険の払戻金や健康保険などから出るお金もすべて、この口座に入るようにしておけば、あとあとお金の流れがハッキリとして親族間のトラブルを避けるだけでなく税務署から何かしらの指摘を受けた際にも、キッチリと説明できるので一石二鳥です。
3)残りは、喪主が負担する
香典と故人が持っていた現金や預金などの相続財産を充てても、まだ葬儀費用を賄いきれないときは、兄弟姉妹平等に負担か、喪主が負担か意見が分かれるところですが、喪主が負担するのがいいと思います。
その理由は、
葬儀の内容は、兄弟姉妹が相談しながら事細かに決めていく余裕がない場合がほとんどです。喪主の判断で即決しないといけないことが多いので、喪主が決めた葬儀の代金を兄弟姉妹で均等に負担するとなると、また揉め事の種になりかねません。
香典や故人の現金、預金などでかなりの部分が賄えることが多いと思いますし、それに全く頼れない場合は、喪主ができる範囲の葬儀を行えばいいと思います。
兄弟姉妹からの香典
また、これは人によるのですが、喪主とならなかった兄弟姉妹のなかで、よく気が付く方は、相続財産などが少ないと思われる場合は、かなり香典を多めに包んでくれることもあります。
祖父の葬儀の喪主を、僕の母が務めたとき、親戚のおじさんが50万円もの香典を包んでくれたのを子供心に覚えていますが、あれは葬儀費用の一部に使ってくださいという意味だったのですね。
余談ですが、高額の香典をいただいたときのお返しは、半返しでなくても大丈夫です。一番高いカタログギフトの、たぶん10万円くらいのカタログギフトで対応すればいいと思います。ちなみに50万円の香典のお返しは、正直困ったのでおじさんに聞くと味付き焼きのりがいいと言われたので、一番高い味付き焼きのりを持っていったと思います。
ただ一方で、香典を出さない兄弟姉妹も居たりしますので、この部分はあてにせず、また強制などしないことが肝要です。
兄弟姉妹からの香典って微妙なんですよね。
慣習的には、喪主にならなかった兄弟姉妹は香典を出すことが一般的と言われていますが、葬儀費用が相続財産で賄えてしまう場合、喪主となった長男は香典を出さないで、なんで他の兄弟姉妹が香典を包まなくてはいけないの!みたいな親族間争いの火種になりかねないんです。
なので、兄弟姉妹からの香典は、喪主から何か言うのではなく、流れに任せて、いただけるならありがたくいただき葬式費用にあてればいいし、もらえなくても気にしない、相談されたら現状を話して、葬儀費用の喪主負担が発生しそうなら一部をもってもらうなど、喪主としては受動的な対応がいいと思います。
喪主が負担するのが難しい場合
喪主が未成年の場合やかなり高齢、人にも寄りますが90歳以上の場合や、収入が低い場合などは、喪主が負担することが難しいと思います。
このような場合は、親族に経済力もあり経験もある方がいる場合は、その方に施主となってもらい、葬儀の取り仕切りから葬儀費用の不足分も持つようにしてもらうのがいいと思います。
このような方がいない場合は、生活保護葬などを検討してみるといいと思います。
葬儀費用の内訳、どこにいつ支払うか
葬儀費用を安くする前に、葬儀費用の内訳を知っておくことが大事です。
見積もりは安かったのに、追加料金がかさんで結局は相場より高くなってしまったなんてことがないように、しっかり理解しましょう。
まずは、こちらを見てください。
最初に出した日本消費者協会アンケートの内訳をざっくりみると、
葬儀社に払う・・・・・・120万円
寺院に払う・・・・・・・ 45万円
料理などの接客費用・・・ 35万円
葬式1つ挙げるときの支払い先は、意外と多くなります。
どこに何をいつ支払うことになるのか、一般的なケースをまとめておきます。
場合によっては、葬儀社が一部を立て替え払いしてくれることもあるので、詳しくは葬儀社との打合せ時に確認してください。
A)葬儀一式
【葬儀後に】葬儀社に振り込む葬儀一式とかセットプランとかの名目ですが、これに含まれているもので、全部でないことが多いです。
一式とかセットとか書いてあるとこれで全部なのかと勘違いしやすいですが、葬儀の一部と考えたほうがよいでしょう。
どこまで含まれるのかは葬儀社によってマチマチですが、一般的には以下のような物品、サービスが含まれています。
<購入するもの>
花祭壇、棺、線香、蝋燭、枕飾り、中陰後飾り
<レンタルするもの>
白木祭壇、受付設備、各種備品、寝台車、霊柩車
<スタッフサービス>
諸手続代行、納棺、式進行管理、式進行司会、火葬場同行
要は通夜、告別式で使う備品や関連手続きと司会進行などを行う費用になります。
これだけを指して葬儀費用と言っている葬儀社も多いです。
B)お布施、戒名料
【当日】僧侶に現金でお渡しするお布施というと読経の後に「本日はありがとうございました」と一言添えながらお渡しするイメージですが、通夜、告別式、火葬、繰り上げ初七日と2日間のうちに何度も読経いただく葬儀では、お布施を渡すタイミングは以外と悩ましいものです。
うちでは、最後の読経をいただいた後にお渡ししていますが、通夜の日にお坊さんが会場の僧侶控室に入られたタイミングで、葬儀社の方がご挨拶を促してくれることが多いので、このタイミングで事前にお渡しする方もいます。
タイミングは、葬儀社のスタッフに促してもらうよう頼んでおくのが安心です。
お布施は、葬儀社の見積もりに入っていることは少ないです。
戒名を付けてもらう、読経してもらうことの対価宗教的な意味合いでいうと、喜捨といって喪主側が自分の修行のためにお金を喜んで捨てることであるとか、お寺のご本尊への寄付であるなどの意味があるが、実際は、お寺側の言い値で支払うため一般的なサービスの対価として考えたほうが分かりやすいと思います。
C)斎場費
【当日】会場運営会社に現金で支払う、葬儀社立替の場合もあり会場使用料のこと、会場を持つ大規模葬儀社の場合は、見積もりのなかに最初から入っていてわかりやすいが、自前の会場を持っていない普通の葬儀社の場合は、どこの斎場が取れるのか当日になってみないと分からないので、見積もりに入っていないこともしばしば。ここが揉めるもとになることも多い。
D)火葬代
【当日】火葬場運営会社に現金で支払う、葬儀社立替の場合もあり火葬代も葬儀社によって、見積もりに入っていたり入っていなかったりしてトラブルのもとになりやすい。
地域によって利用できる火葬場はかなり限られているので、メジャーなところを仮に指定して見積もりに入れておいてほしいものですね。
E)料理代
【葬儀後に】請求書が来てから料理屋に振り込む通夜振舞いや火葬後の精進落しの料金です。
これは、参列者の人数によって左右されるので、一番事前見積もりが難しいところです。
昨今の葬儀は故人がかなり高齢になってからお亡くなりになることが多いので、参列いただく親族や友人たちも高齢で、
なかなかお体の自由が利かなかったり、既に亡くなられていたりと、案内を出しても参列できない方も多く、参列人数が非常に読みにくい状況になっています。
ただ、通夜ぶるまいは、みんなで摘まめる寿司などであれば、やや少なめでもいいという慣習がありますので、必要最小限でもいいのかもしてません。予定されている参列者数の7割程度用意するケースが多いようです。
また精進落しも、友人知人は基本的には参加せず、親族のみでの会食となることが普通ですので、事前に電話等で参加の可否を確認しておけば大幅に外すことはないでしょう。
F)香典返しの商品代
【葬儀の2~3週間後】カタログショッピング会社などに振り込むこれは、葬儀の前後から間が空くのですが、葬儀から一ヶ月以上たった四十九日に香典返しを送ることが一般的です。
いただいた香典の半分は、四十九日まで使わずに香典返しの費用として取っておきましょう。残り半分は葬儀社への支払いに充てるとよいでしょう。間違っても喪主の個人的なものを買ってはいけません。あとあと兄弟姉妹で揉める元になりかねませんからね。
葬儀が終わってから、しばらくは自宅に弔問客が来てくれて、そこでもお香典をいただくこともあるので、葬儀後2~3週間たってから通夜、告別式でいただいた香典と自宅に弔問してくださったときにいただいた香典を合わせて、香典返しをします。ですので、香典をいただく際は住所氏名をご芳名帳などに必ず残していただくようにしましょう。
G)斎場、火葬場で働く人への心づけ
【当日】それぞれの人に現金を小さな封筒に入れて渡す寝台車や霊柩車の運転手や火葬場の火夫や斎場で通夜振舞いや精進落しの給仕をしてくれる人に心づけとして現金を渡す慣習があります。仕事あがりに死の穢れを日本酒でも飲んで清めてからお帰りくださいという気持ちから生じた慣習だそうです。
公営斎場や公営の火葬場では、心づけは不要とのことですが、
東京は公営斎場、火葬場が少ないので、このような慣習があることは知っておいたほうがいいでしょう。
心付けですので、料金表があるわけでもなく、催促されるわけでもありませんが、気になる人は、以下にあげる目安くらいの金額をお渡しするといいでしょう。
渡す相手 | 目安 |
---|---|
寝台車運転手 | 5000円 |
霊柩車運転手 | 5000円 |
ハイヤー運転手 | 5000円 |
マイクロバス運転手 | 5000円 |
火葬場 火夫 | 5000円 |
料理配膳の方 | 3000円 |
渡す金額や、そもそもそのような習慣があるかないかも地域ごとに違うかも知れませんので、気になる方は、葬儀社のスタッフに聞いておくのがいいと思います。
心づけを怠ると
東京では、特に何も問題はないでしょう。
昔は、村社会でしたから、どこそこの跡取りは、常識を知らないなどと陰口をたたかれたりしたことがあるそうですが、今や東京の火葬場などは分刻みのスケジュールで色々な地域から人が殺到していますので、だれがだれだか分からないくらいですので、心づけをくれなかった人のことを、いちいち詮索する余裕すらないと思います。
東京以外の地域は、いまだに面倒なことになることもあるのかもしれません。
このあたりのナーバスな事柄は葬儀社のスタッフに聞いてみるのが一番いいと思います。
葬儀費用トラブルを避けるこの一言
「葬儀一式35万円で行えると葬儀社から事前に聞いていたのに、葬儀後にかかった金額は100万円を超えていた!」なんていうトラブルをよく聞きます。
決して悪徳葬儀社というわけではなく、普通の葬儀社との間でもこのような行き違いは日常的に起こっています。
なんで、35万が100万以上になってしまうのでしょう?
ここまで読んでくれたあなたならきっとピンと来たのではないでしょうか。
「葬儀費用」という言葉の意味が、葬儀社と喪主とで一致していないことが大きな原因となっています。
もっとハッキリ言うと、何が含まれていて何が別になっているかが、葬儀社と喪主で食い違っているのです。
葬儀社が思っている「葬儀費用」は、
葬儀社が直接受け取る分だけで、お布施や斎場代や火葬費や料理の代金は別と考えているのに対して、
喪主は思っている「葬儀費用」は、
これだけ払えば全部やってもらえる「葬儀費用総額」と思いがちです。
この違いが、35万と100万の違いになってトラブルに発展してしまうのです。
さらに、輪をかけて、ややこしいのが、葬儀社によっては、お布施や斎場代や火葬費や料理代などの支出もあらかじめ葬儀プランのなかに入れてくれていて葬儀社を経由して払ってくれるところもあります。とてもありがたいのですが、どこまで含むか含まないかは、葬儀社によって違うので、これが混乱を増長させる原因の一つになっています。
そのうえ、葬儀費用の見積もりは、見積もり時点では、まだハッキリ分からないことが多く、なかなか確定した金額が読めない場合も多いです。
見積もり時点で、確定してないこととしては、
・ハッキリした参加人数
・火葬場の予約がいつとれるか
・安置の日数
・どこの斎場の予約が取れるのか
これらのことが決まらないと、通夜振舞いや精進落しの料理代や安置費用、ドライアイス代や斎場の会場費や、斎場と火葬場の移動に使う霊柩車やマイクロバス代などが決定できず曖昧にならざるを得ないという側面もあります。
これらの事情は、初めて葬儀を頼む喪主の方は想定していないでしょうし、一般的な葬儀社はあまり細かく説明してくれないことが多いです。
ですので、葬儀費用トラブルを避けるためには、葬儀を頼む喪主側がある程度の知識をもって、見積もりの段階から主導的に振る舞うことが大事になります。
結構、大変なんです。
面倒なことが苦手な人は、定額葬儀会社を利用するのが一番楽ですが、
普通の葬儀社を使う場合でも、シンプルにこの一言を葬儀社に言うだけでも大丈夫です。
葬儀社の見積もりをもらったときに、こう聞いてください。
「この見積もりは、全部込みの見積もりですか? お坊さんや会場や火葬場や料理屋にお支払いする分も含まれていますか?」
この一言が大事です。
僕も葬儀社とのやり取りを何度か繰り返すうちにこの一言を必ず最後に言っていました。おかげで依頼時と葬儀後の金額に大きな差が付くこともなくトラブルなく納得のいく葬儀ができました。
人数や会場がまだ決まっていない場合は、想定人数や第一希望、第二希望会場を決めて、数パターンの見積もりをお願いしておきましょう。その時にイヤな顔をするような葬儀社でしたらお願いしないほうがいいでしょう。別を探しましょう。
葬儀社選びの詳細は、当サイトのこちらのページにくどいくらい書いてあります。
こちらも併せて参考にしてください。
お金をかけるべきところ
何でもかんでも安くするばかりじゃなく、お金をかけるべきところ、少なくとも削らないほうがいいところもあります。
最近は小規模な葬儀が多いとはいえ、
親族や友人に時間を作って来てもらうことですし、なかには遠方から来ていただく人もいます。
あんまりにも質素な式だと、ご足労いただいた参列者にも故人にも申し訳ないという思いに駆られたりします。
そこで、この1点は削らないようにしたいと思います。
料理代は削らない
料理などの接客費用は、おさえた分が目に見えて分かってしまうことが多いです。
安い寿司か高い寿司かって結構わかりますよね。
別に見栄でいい料理をだそうとは言いませんが、参列者のご足労に少しでも報いたいという気持ちは大事にしたいことのひとつです。
日本消費者協会アンケートでも葬儀費用の総額は横ばい傾向ですが、料理などの接客費用は年々上がっていることからも、遠方や忙しいなか来られる参列者に少しでも報いたいと、できるだけいい料理を出す傾向にあるようです。
昔は、通夜振舞いというと、助六といって、お稲荷さんと太巻きなどの巻きずしが主流で、精進落としの料理は、冷めた和風オードブルの詰め合わせみたいな、あまり美味しくないのが普通でした。
ところが、最近では、握り寿司はあたりまえで、お肉や魚料理も普通に出てきます。
なかにはビュッフェスタイルで暖かいお料理を参列者が好きに選べるところもあるそうです。
最近の葬儀に参列した人の感想で一番多いのが、「久しぶりに親戚や旧友に会えた」と「料理が美味しかった」だと聞いたことがあります。
参列者への感謝を表すものとして、「料理などの接客費用」は、削るべきではないです。
葬儀費用の相場平均の信ぴょう性
葬儀費用の相場平均が200万円と聞いて、高いな~と思うと同時に、この数字は本当なのと疑いたくなりますよね。
200万円と言われる数字は日本消費者協会のアンケートによるもので、他に公式な調査結果が見当たらないこともあり、多くの葬儀社が葬式費用の相場として、この数字を使っています。
葬儀社のプラン料金と葬儀費用相場の差って何?
その一方で、色々な葬儀社のホームページには、一般葬でも50万円とか100万円で追加料金なしでできると書いてあるのに、なんで日本消費者協会のアンケートでは200万円になっちゃうの?と混乱している人は多いと思います。
宗教者へのお支払いが入っているか
一番大きな違いは、宗教者へのお支払いが入っているかいないかです。
・相場平均のなかには入っています。
・葬儀社の言う葬儀費用には普通含みません。
これだけで30~100万円近い差がでます。
追加費用による差
これに加えて大きいのが、喪主が後からお願いしてしまう追加費用ではないかと思います。
確かに葬儀社は追加費用なしで一通りの葬儀を行えるプランを用意してはいますが、打ち合わせ後に、様々な追加が発生してしまうことが多いんです。
やむを得ない事情による追加もありますが、それよりも絶対必要ではないけど最後だからという気持ちからか、あるいは見栄からか、気がつくと喪主から追加をお願いしてることが実に多いんです。
例えば、
<やむを得ないケース>
〇 火葬場の予約が年末年始を挟んで2週間後になったのでドライアイスでは対応できずエンバーミングをたのんだ
〇 その時、安置費用も3日目以降は追加料金がかかった
〇 火葬場を併設した斎場の予約が取れなかったので、斎場と火葬場の移動用に霊柩車とマイクロバスを手配した
<喪主から頼んでしまうケース>
〇 棺をあと1ランクだけあげたい
〇 プランの骨壷は白いけど先祖はみんな青磁なのでそれに合わせた
〇 供花が奇数でバランスが悪く本数も少なかったので、家の名前で追加した
〇 先祖代々の戒名が立派でそれに合わせてたのんだら、100万円かかった
〇 やっぱり最後は女性だからキチンとしたメイクをしてあげたい
〇 遠くからたまにしか会えない親族が来るから、プランの料理をちょっといいものにした
<見積もり外のお支払いケース>
〇 寝台車、霊柩車の運転手への心づけ
〇 火葬場の火夫への心づけ
〇 斎場の給仕係への心づけ
などなど、
まとめると、
葬儀社のホームページに載っているのは、葬儀社が用意している基本的なプランの料金です。これは払う前のいわば見積もり金額にあたる部分ですね。
一方で、アンケートの数字は、実際に払った人やその親族から書面で聞き取りした数字です。
この数字には、プラン料金に加えて、途中で追加した分と宗教者にお包みした分と葬儀関係者への心づけが加えられます。こちらが実際に払った総額になります。
このような理由で、実際に払った葬儀費用の相場は200万円というのは、それなりに信憑性のある数字なのです。
お金の平均値のクセ
ただ、お金に絡む平均値というのは、普通の人の実感よりやや高めに出ることが多いです。たとえ少数でも、極端なお金持ちが物凄く高い葬儀を行うとその数字に引張られて平均値が上がってしまうためです。
葬儀の相場平均もまさにこの現象が起きていると考えるのが自然です。
普通の人がかけている葬儀費用は、もう少し安いと推察されます。といっても半額になるとか極端には下がらないので170~180万くらいですかね。
葬儀費用補助・扶助はもれなくもらう
葬儀費用補助・扶助制度一覧を準備予定